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2024.09.01

院長ブログ

お子さんが前歯をぶつけた時は

お子さんが前歯をぶつけた時は

何かの拍子に歯を地面や壁等にぶつけてしまった場合、折れてしまっていればその折れ方によっては、抜歯が必要になる場合もあります。

しかしうまく歯を残せて状況によっては折れた破片をつけることができる時もあるので、もし折れた破片がお手元にありましたら、ご持参いただけましたら幸いです。

また、幸いにも折れていなかった場合でも、ぶつけたときの刺激は歯の神経に伝わっていますので、後々時間の経過とともにゆっくりと歯の神経がダメージを受けてきて、ご本人も気づかないうちに歯の神経が死んでしまうことが稀にあります。

歯の神経が死んでしまった場合には、歯の色が黒ずんできたり、歯茎にニキビのような膿みの出口が出てきたり、あるいは噛むたびになんとなく響くような違和感が出てくることがあります。

そうなってくると、歯の交換までの時期によって根の中の治療あるいは抜歯が必要となります。そこまで症状はないし、どうせ大人の歯に生え変わるのだから、そんなに一生懸命治療とかしなくてもいいんじゃないのと思われるかもしれませんが、歯の神経が死んでしまうということは、その死んだ神経を栄養にして中でばい菌が繁殖して根の先にたまっているということであり、そのまま放っておくと同じく根の先にある大人の歯のタネに悪さをするということが知られています。

具体的には大人の歯の形が少しいびつになってしまったり、変色したり、表面が柔らかくなってしまって虫歯になりやすかったり、あるいはたまっているばい菌を避けて生えてこようとして、生える時期が遅れたり違う場所から生えてきたりといったことがあります。(放置例でおおよそ50%近くの確率で何らかの大人の歯への影響が出てくると言われています)なので、もし仮に歯の神経が死んでしまった場合には、子供の歯だからといってそのままにせず、できるだけ後の大人の歯への影響を最小限に抑えるために、早めの治療をしてあげるのがいいのかなと考えています。

また、もし仮に歯の神経が不幸にも外傷後に死んでしまったとして、その変化は受傷後3ヶ月から場合によっては一年後等に生じてくることもあります。なのでそれをできるだけ早めに気がついて対応するということが後から生えてくる大人の歯を守る上でも大切になってきますので、できれば受傷したその時だけでなく、その後も定期的にレントゲンをとって、その確認をしていくのがいいのかなと考えます。

万が一受傷によって歯が抜けてしまった場合は、大人の歯であれば元に戻すことができるかもしれません。その場合は時間が勝負となり、抜けてから30分内に可能なら冷たい牛乳(低脂肪乳や加工乳、ロングライフミルクはのぞきます)に抜けた歯を浸して持ってきていただければ、元に戻る可能性は上がります。