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2024.11.15

院長ブログ

膿を持っている場合の治療

膿を持っている場合の治療

膿を持っている場合の治療として、まず思い浮かぶのが化膿止めのお薬を飲むことかと思います。しかし残念ながら、化膿止めのお薬というのは飲んだ後体の中の血液中に吸収されて、血液と共に流れていってばい菌に作用するという性質を持っていて、膿の溜まっている部分には血流がないことから、いくら化膿止めを飲んだところで膿の部分には全然効かないという事となります。

溜まっている膿の中にいるばい菌というのは、そのほとんどが空気を嫌うばい菌であるため、これをやっつける一番の方法は空気に触れさせてあげる事です。これが切開をして膿を出す処置であったり、あるいは歯の根っこを綺麗にしてそこから膿の出口を作ってあげる処置であったりします。膿が溜まっている時の痛みは膿の出口が無くて中の圧が高くなっていることによる痛みなので、膿の出口を作ってあげることによって痛みは劇的に改善していくとともに、中のばい菌が空気に触れることによって、どんどん弱って死んでいきます。この弱ってきたところに化膿止めのお薬を作用させてあげると、とてもお薬を効率よく効かせてあげることができ、より早くよりよく感染部位を治す事ができます。

場合によっては膿の溜まっている部分がかなり深いところにあって、うまく膿を出し切れないこともありますが、膿が溜まって症状が出ている場合には、僕らは内科医ではなく歯医者なので、ただ化膿止めのお薬を出すだけでなく、どうにかして膿を出すとともにばい菌を空気に触れさせてあげることによって、これをやっつける処置を行う事がまず重要となってきます。ただ漫然とお薬を出しておくだけでは、理屈から行っても、またこれまでの実感からしてもなかなか症状が改善しない事が多いように思います。