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2024.11.12
院長ブログ
舌の話
全身の状態、特に血流の状態を反映する器官として、古くから舌が挙げられています。舌のあの赤みがかった色の正体は薄い粘膜の下に流れている豊富な血管内を流れる血液の色がすけて見えているものなので、全身の血流の変化が目で見て一眼にわかりやすいとされています。
採血やレントゲン検査等がなかった時代には、患者さんの全身の状態を把握するすべがなかったので、舌の色や形、大きさ等を見て、その判断をしていたようです。幸い近年ではこれらの検査技術が発展してきたため、患者さんのお身体の状態を調べようと思ったら血液検査なりレントゲンなりをとって正確な判断ができるようになってきており、舌を見ることの意義は薄れてきていますが、歯科では簡単に採血をしたりなんたりというわけにもいかず、その場合の簡単なお身体の状態の把握の方法として、ちょうど歯科で見るお口の中にあるということもあり、歯医者といえども、というか歯医者だからこそ、舌の状態からある程度の患者さんの全身状態を把握できるようになっていなければいけないように思います。特にこれからの超高齢化社会の中では、多くのご持病を抱えた患者さんを診させていただく機会も増えてくるかと思いますので、血液検査を簡単にはできない歯科医院での舌診の重要性は高まってくるのではないかと考えています。