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2024.11.03
院長ブログ
フッ素の安全性について
フッ素の効果
フッ素は、歯を強化して虫歯を予防する作用があり、成熟した大人の歯にももちろん効果的ですが、特に生えたての大人の歯や子供の歯への効果が高いです。これはこれらの歯がまだ未熟な成長過程で、ゆえにフッ素を取り込んで歯を強化する能力が成熟した大人の歯よりも高いためです(大人になってからいくら牛乳飲んでもそんなに背は伸びないけれど、成長期に牛乳飲んでカルシウムとればそれをどんどん骨が取り込んで背が高くなるようなイメージ)。
おおよそ、歯が生えてから成熟するまでには2年程度かかると言われていますので、フッ素は特に大人の歯の最後の奥歯が生えてから2年後くらい(おおよそ平均的には中3くらいと言われています)までは定期的に塗ってあげる(歯医者で+ご自宅でフッ素配合歯磨剤の利用)と、より効果が得られやすいです。
フッ素の為害作用について
確かに大量のフッ素を一度に摂取すると急性中毒を生じることが知られていますが、基本的には歯磨剤に配合されている量を、たとえチューブ一本飲み込んだとしても人体に影響はないと言われています。また、テフロン加工のフライパンはフッ素が熱で溶けて体に悪いなどという話を聞いたことがある方もいらっしゃるかとは思いますが、そもそもテフロンというのは確かにフッ素化合物の一種ではありますが、歯磨き粉等に用いられているフッ素とは全く別物の化学物質であり、歯磨き粉に入っているフッ素とは名前が似ているだけで何の関連もありません。また、私たちが日頃口にしている食品でも、わかめ、イワシ、エビ等の海産物や緑茶、牛肉、リンゴ、みかん等様々な食べ物にフッ素は含まれており、それらを食べることによって日常的に私たちの体の中にも無意識のうちに取り込まれており、むしろカルシウムやビタミンなどと同様、足りないと困る必須栄養素の1つにもなっています。
しかし価値観は人それぞれであり、急性中毒を生じるようなものを口の中に入れるのには抵抗があるという考えも十分に理解できますので、フッ素の塗布あるいは使用を強要するものではありません。抵抗を感じられます場合には、十分に配慮した上でフッ素を使わずにできる虫歯予防等をご提案させていただきますので、遠慮なく仰られてください。