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2024.10.03
院長ブログ
歯の経年的な変化
歯は体の中では一番硬い組織ですが、それでもお口の中という過酷な環境の中で何十年も機能していると、徐々にですが少しづつすり減ってきてしまいます。(奥歯でおおよそ30年で1mm,その他の歯では30年で0.5mm程度のすり減りが平均的に生じると言われています)
今巷では人工ダイヤモンドと謳われるジルコニアやセラミックといった、とても硬くて強度のあるつめものが人気ですが、硬いということは丈夫であるということの反面、詰め物の周りの歯は時とともに徐々にすり減っていくのに対して、その硬い詰め物の部分だけは全くすり減ることなく詰めた時のままの形態を保つこととなるので、すり減った周りの歯との調和という意味では、かえってその丈夫さが生体との適合性を乱すこともあるのではないかとついつい考えてしまいます。
あんまり柔らかすぎて、すぐに割れてしまったりしては元も子もありませんが、時とともにすり減っていく歯と調和しながら、うまく同じくらいのペースですり減ってくれるような詰め物の方が、ひょっとしたら生体にとっては親和性がある、ということになるのかもしれません。