トピックス Topics
2024.09.18
院長ブログ
原始反射
赤ちゃんには、反射的におっぱいを吸ったり探したり搾り取ったりする反応が備わっています。これはおっぱいから栄養を取るために必要な原始反射という反射で、脳の発達とともにだんだんと抑制されていきますが、その反射のシステム自体は脳に残ったままとなります。
認知症の患者さんでこの反射を抑制している部分の脳の機能が障害されると、再度原始反射が出現してくることが結構あります。
遭遇する機会としては、例えば食事介助をしようとしてスプーンを患者さんのお口の中に入れようとした時、あるいは自分たちでいえば口腔ケアをしようとして歯ブラシを患者さんの口元に持って行った時などに、かたく唇を閉じるような動きをしたり、場合によってはスプーンや歯ブラシをガシガシ噛み始めるような動きをされたりする患者さんがいらっしゃいますが、これは決して食事の介助や口腔ケアを拒否しているのではなく、赤ちゃんの時のおっぱいを飲むための反射が再度出てきたことによるものなのです。