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2024.09.11
院長ブログ
食べ物を飲み込むということ
空気と食べ物の通り道は、基本喉の奥まで共通しています。
そのため、食べ物を飲み込む際にはそのゴックンとする瞬間だけ、空気の通り道、ちょうど肺につながる気管の入口の部分に反射的にふたをすることによって、食べ物が間違って気管の方に落ちていかないようになっています。
気管の入口が蓋をされるので、そのごっくんの瞬間私たちは無意識のうちに息を止めていることになるのですが、そのためこのごっくんはだらだらと長く続けることができず、ほんの一瞬、数字にすれば0.6-7秒の間のみとなります。
したがって、私たちが食べ物を飲み込む際には、極力短い時間でごっくんできるように、お口の中にある噛み砕いた食べ物を一塊にして飲み込む必要があり、その一塊にする働きの主役を担っているのが、舌の運動になります。
したがって、お年寄りやお子さんなどで、この舌をうまく動かせない方や、運動が衰えてきた方などはうまく食べ物を一塊にして飲み込むことができず、気管の入り口の蓋が閉じている一瞬が終わった後でもだらだらと食べ物が喉奥に落ちてくるので、蓋の開いている気管にこれが入ってむせやすくなるというわけです。舌の力が衰えている方はそうでない方に比べて、肺炎を生じやすくなるとの報告もあります。
スムーズなお食事のためには、歯があることももちろん重要ですが、それ以上に舌の運動というのは、私たちが考えている以上に重要な働きを持っているようです。