お口の中のばい菌は、虫歯菌にしろ歯周病菌にしろ、歯の上に集合してくっついているとともに、その表面をお風呂や台所のぬめりのような、ぬめぬめしたもので覆われています。これが世にいう歯垢です。ばい菌をやっつけると聞いてまず思い浮かぶのが抗生物質かと思うのですが、この表面のぬめぬめがバリアとなって抗生物質を飲んでもその成分が歯垢の中のばい菌まではほとんど到達せず、ぬめぬめに守られながらばい菌たちはその中で、エサの共有や遺伝子情報の交換等を行い、より強くよりたくましく成長していきます。

したがって、虫歯、歯周病を防ぐためにはこのぬめりごと中のばい菌を取ってあげる必要があり、お風呂掃除や台所掃除でぬめりを除去するのと同じで、お口の中でも抗生物質の効かないこのぬめりある歯垢は、機械的に除去してあげるしか基本的には方法がありません。そしてその機械的除去、すなわちお風呂掃除や台所掃除に相当するのが、お口の中では歯磨きというわけです。