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2024.11.10
院長ブログ
抜歯について
お痛みのある歯の状態によって、残念ながら抜歯をご提案差し上げることがあります。その際に、こちらのご提案を受け入れていただける患者さんもいらっしゃれば、できれば抜かないで済ませたいと希望される患者さんもいらっしゃいます。
ご自分の生まれ持った歯を一本でも多く、一年でも長く残して使いたいという気持ちは、歯医者としてもいたいほどわかります。できれば残してあげたいなという気持ちでいっぱいです。しかし、抜歯をご提案させていただくほどに状態があまり良くない歯というのは、総じて根の先や周囲がばい菌の巣みたいな状態になっており、このままそのばい菌の巣を残したところで、患者さんのお体にとってはあまりよくないことの方が多いです。
歯の下には歯を支えている顎の骨があります。ばい菌が歯の周りで止まっているうちはまだいいですが、これをそのまま残した状態でいると、やがてばい菌はこの顎の骨の方にまで進んで行ってしまいます。そうなると今度は顎の骨がやられてきて、それで痛みや腫れを生じた場合には、歯を抜くだけでは事足りずに、顎の骨のやられた部分まで削るなり取るなりしなければ、治らなくなることもしばしばあります。
自分が抜歯を残念ながらご提案させていただくのは、そうなってきた患者さんも何人か見たことがあるからであって、目の前の患者さんにそんな大変な思いはしていただきたくないので、ことがそこまで大ごとになる前に、歯だけの問題で済んでいるうちに抜歯をして残念だけど悪いところは綺麗にしてしまって、これ以上状態が悪くなるのを防ぎませんかという思いを込めてのことです。それでもどうしてもやはり持つところまで頑張って持たせて見たいというご希望がありましたら、それはもちろん無理に抜歯をすることはいたしませんが、上述のようなリスクが将来的にあるということだけは、頭のどこか片隅にご自身の大切なお身体のこととして入れておいていただければ幸いです。