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2024.11.06
院長ブログ
だいたいうんこ
抗生剤の中で、歯医者さんでよく出されるお薬の中に第三世代セフェム系と呼ばれる種類のものがあります。この第三世代セフェム系ですが、実は飲んでも体の中に取り込まれる量がそのおおよそ20%くらいしかないことがわかっています。残りの80%は取り込まれずにうんことなって排出されるため、だいたいうんこで DU薬などと呼ばれたりもします。
また、この第3世代セフェム系は幅広い種類の菌をターゲットにしていることでも知られており、将来的な薬剤耐性菌(抗生剤の効かないばい菌)を他の薬に比べて作りやすいことでも知られています。したがって、歯科治療の際に出す抗生剤の第一選択は、今はガイドラインでペニシリン系を出すということになっています。ペニシリンというと何かアレルギーが怖いみたいなイメージがあるかと思いますが、実際にペニシリンにアレルギーをお持ちの方というのはほんのごく少数であり(抗生剤を飲んだ後にお腹を下した経験をアレルギーだと思われている方もいらっしゃいますが、それは抗生剤がお腹の中の善玉菌も一緒にやっつけてしまったために起こったことで、アレルギーとはあまり関係がありません。この場合整腸剤を合わせて飲んで頂くことで大抵の場合はこれを解決することができます)また万が一ペニシリンにアレルギーをお持ちの方の場合は、マクロライド系という別の種類の抗生剤が第一選択となって来ます。何れにしても、第三世代セフェム系はこれからの歯科治療においてはあまり使用することのメリットがなく、また実際の個人的な臨床実感ですが、効果もどうも他の薬と比べていまいちのことが多いような気がしています。