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2024.10.25
院長ブログ
認知症患者様の口腔ケアについて
認知症患者様の口腔ケア時の心構え
誤嚥性肺炎の予防として口腔ケアの重要性が報告されて久しくなります。今回は、口腔ケア時の心構えをお伝えできればと思います。
お口の中の感覚は非常に敏感で、口腔ケアの必要性を理解できない認知症患者様にとってそれは、不快な侵害刺激でしかありません。ここに口腔ケア時の拒否行動が出てくるのですが、一見意思疎通が困難に思えても、目を見て一人の人間として敬意を持って接することで、拒否行動が驚くほど減少することは、かなり実感として感じております。特に患者様の名前は重要なポイントだと考えており、意思疎通の困難に思える患者様でも、お名前を呼びかけた時だけはぱっと目を見開いて目線を合わせたり、「はい」と返事をされたりします。どれだけ病気が進行されても、ご自身の名前だけは患者様の中に潜在的に残られているのだなと感じる瞬間であり、たとえ意思疎通が困難であっても、一人の人間として敬意を持って接する事の大切さをその都度実感させられます。
このように患者様から教えて頂く事は日々の臨床の中で無数にあり、毎日がその連続です。自分は歯科医師なので、認知症の患者様を治して差し上げることはできませんが、患者様から学ばせて頂いたことを大切に、次の患者様に生かすことで、歯科治療を介して世の中に還元させて頂ければと考えています。